混沌の年の終わりに

グーグルのまとめた2011ふりかえりビデオ http://www.youtube.com/watch?v=SAIEamakLoY

これがこの1年におきたことかというほど多くの災害、人の業、そして20世紀を彩ったいろいろな人々の逝去

 3.11の地震、それに続く最悪の原発災害については福島に縁故のない私は傍観するよりなかった。自分と家族の生活を守ることで精一杯で、わずかな金を募金するのが関の山だった。
 ああ、いや、縁がまるでないわけではない。ネットを通じてかかわりのあった人たちがあちらに何人も住んでいた。
 大きいとはいえない余震にまたあの規模の地震がくるのではないかと不安な人の姿に、阪神の時とは違って終わってからも継続する災害に容赦なくためされる大変な災害と知れた。
 
 信心深い人ならこれを神のためし、あるいは罰として受け入れようとするだろう。そう考えれば楽だ。
 だが、試されているのは人間の理性であり、誇りである。
 たくさんの人の心が一度は折れたことだろう。そこから再起できるのか、迷信と妄言に逃げ込み、失うばかりとなるのか。
 それこそが試練と思う。

 かつて私の中学の校長先生が戦争の体験を通じていったことがある。
「人間は困難に直面すると奪い合うのではない。助け合うのだ」
 くしくもこの先生は東北の名家の姓と名をもっている人であった。

 人間は一人ではない。このようなときは善意を装った悪意が跋扈するものだが、決してそればかりではない。良薬口に苦しを心において、耳をふさぐことなく信じるところを進んでほしい。

 この試練をへて、東北から、東北以外のどこからでもいい、よりよい明日を生み出す力が生まれることを祈願する。

 その最初の年に2012年がならんことを